知って欲しい! 口腔癌について〜西大寺駅前の歯科医院・鶴山歯科クリニック西大寺〜
こんにちは!
岡山市東区 西大寺駅前の歯科医院 鶴山歯科クリニック西大寺の院長 皆木です。
私は歯科医師としては9年目になります。
歯学部を卒業してから現在に至るまで、保険ベースの治療はもちろん、矯正治療やインプラント治療、審美治療など専門性の高い治療も多く行ってきました!
今回は少し怖い印象を受けるかもしれませんが、「口腔癌」についてお話ししたいと思います!
日本では罹患率、死亡率ともに増加傾向にある口腔癌。
日本だけで年間で約7000人の方がかかるとされています。
舌や唇、頬の内側など口腔内に発生する癌で、決して高い発生率ではありませんが、発生頻度は全がんの約2%と言われており、代表的な口腔癌は舌癌で、口腔癌の半数以上を占めています。
しかし、早期に発見すれば治療が可能で、完治するケースも多い癌です。
口腔癌の基本的な知識や発症リスク、初期症状、予防策について詳しくお話しします。
口腔内の変化に気を付け、定期的に歯科検診を受けることが早期発見の鍵となります。
目次
- 口腔癌とは?
- 口腔癌の原因とリスク要因
- 口腔癌の初期症状
- 口腔癌の診断と治療方法
- 口腔癌の予防と早期発見の重要性
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口腔癌とは?
口腔癌とは、口腔内に発生する悪性腫瘍のことを指し、具体的には舌、唇、頬の内側、歯茎、口蓋、口底などに発生します。日本における口腔癌の発症率は増加傾向にあり、特に50歳以上の男性に多く見られますが、最近では女性や若い世代にも増加しています。
1-1. 口腔癌の発生部位
口腔癌は、口腔内のさまざまな場所に発生しますが、特に舌癌が最も一般的です。舌の側面や裏側にできやすく、次いで唇や歯茎、頬粘膜などにも発生します。口腔癌は早期に発見されれば治療が可能ですが、放置すると周囲の組織やリンパ節、さらには他の臓器にも転移するリスクが高まります。
1-2. 口腔癌の進行
口腔癌は、初期段階では痛みを伴わないことが多く、症状に気づきにくい場合があります。しかし、進行すると口腔内の腫れや潰瘍が現れ、痛みや出血、食事の際の困難さが生じます。進行した口腔癌は治療が難しくなり、完治の可能性も低くなるため、早期の発見と治療が非常に重要です。
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口腔癌の原因とリスク要因
口腔癌の発症には、いくつかの要因が影響しています。日常生活での習慣や生活環境が大きなリスク要因となるため、リスクを理解し、予防策を講じることが重要です。
2-1. タバコとアルコール
タバコとアルコールの摂取は、口腔癌の最も大きなリスク要因の一つです。特に、タバコの長期使用は口腔内の粘膜を傷つけ、癌の発生リスクを高めるとされています。また、アルコールは口腔内の細胞にダメージを与え、タバコと併用することでリスクが増大すると言われています。
2-2. ウイルス感染
口腔癌の一部は、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染と関連があります。特に、性感染症として知られるHPVは、口腔内に感染することで癌のリスクを高めることが知られています。HPV関連の口腔癌は、比較的若年層にも発生することがあり、近年注目されています。
2-3. 口腔衛生の不良
適切な口腔ケアを怠ることも、口腔癌のリスクを高める要因です。歯周病や虫歯、口内炎が慢性化すると、口腔内の粘膜がダメージを受け、癌が発生しやすくなります。また、義歯の不適切な使用や口腔内の慢性的な刺激も、リスクを増加させます。
2-4. 紫外線
唇に発生する口腔癌は、紫外線への過度な露出が原因となることがあります。特に、屋外で長時間過ごすことが多い人や、唇を保護せずに紫外線を浴びることが多い場合、リスクが高まるため注意が必要です。
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口腔癌の初期症状
口腔癌は、早期に発見することで治療がしやすくなります。そのためには、初期症状を知り、異常を感じたらすぐに歯科医院を受診することが大切です。
3-1. 口腔内の潰瘍や腫れ
初期の口腔癌では、口腔内に治りにくい潰瘍やしこりが現れることがあります。特に、2週間以上続く潰瘍や、原因不明の腫れが見られる場合は、早急に歯科医の診察を受ける必要があります。
3-2. 口腔内の白斑や赤斑
口腔癌の前兆として、口腔内に白斑(白い斑点)や赤斑(赤い斑点)が現れることがあります。これらの斑点は、癌の初期症状である可能性があり、痛みを伴わないことが多いため、気づきにくいことがあります。定期的に口腔内をチェックし、異常があればすぐに検査を受けましょう。
3-3. 出血や痛み
進行した口腔癌では、口腔内の異常な出血や痛みが生じます。食事や飲み物を飲む際に痛みを感じたり、出血が頻繁に起こる場合も、すぐに専門医を受診することが重要です。
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口腔癌の診断と治療方法
口腔癌が疑われる場合、歯科医院や病院での診断と早期治療が不可欠です。診断にはいくつかの検査方法があり、癌の進行度や部位に応じた治療が行われます。
4-1. 診断方法
口腔癌の診断には、視診や触診に加えて、以下のような方法が用いられます。
- 生検:疑わしい組織を採取し、病理検査を行います。これにより、癌細胞の有無や癌の種類を確定します。
- 画像診断:CTスキャンやMRIなどの画像検査により、癌の広がりや転移の有無を確認します。
4-2. 治療方法
口腔癌の治療方法は、癌の進行度や患者の状態に応じて異なります。主な治療法としては以下のものがあります。
- 手術:癌のある部分を外科的に切除する方法です。初期段階であれば、比較的簡単な手術で完治することもあります。
- 放射線療法:癌細胞を破壊するために放射線を照射します。特に、進行した場合や手術が難しい場合に用いられます。
- 化学療法:抗癌剤を使用して、癌細胞を抑制する方法です。他の治療と併用されることが多いです。
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口腔癌の予防と早期発見の重要性
口腔癌を予防し、早期に発見するためには、日常生活の中での注意が必要です。
5-1. 禁煙と節酒
口腔癌のリスクを大幅に減らすためには、禁煙とアルコールの摂取を控えることが非常に重要です。タバコとアルコールは、相互に作用して癌のリスクを高めると言われています。
5-2. 定期的な歯科検診
口腔癌の早期発見には、定期的な歯科検診が不可欠です。特に、口腔内に異常を感じなくても、年に1〜2回は歯科医による検診を受けることが推奨されます。早期発見できれば、治療の成功率が大幅に向上します。
5-3. 口腔ケアの徹底
日々のホームケアも、口腔癌の予防に役立ちます。歯磨きやデンタルフロスを使って、口腔内の衛生状態を保つことで、細菌の繁殖を防ぎ、リスクを低減させることができます。
口腔癌は、早期に発見すれば治療が可能であり、完治の可能性も高いです。しかし、症状に気づかないことが多いため、日常的な口腔内のチェックや定期的な歯科検診が重要です。タバコやアルコールの摂取を控え、口腔内の健康を保つための正しいケアを心がけましょう。健康な口腔を維持し、口腔癌のリスクを減らすために、今日からできることを始めてみてください。